スーパーマーケット成城石井

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商品のご紹介

スタッフ現地レポート

2019年 イタリア篇 ~美食の街ボローニャと水の都ヴェネツィアへ~ 成城石井では年に数回、社員の海外研修を行っています。社員・パート/アルバイト社員から代表を選抜して派遣し、生産の現場・海外の食文化・食の最前線を体験することで、商品の知識をより深め、お客様にお伝えすることを目的としています。

LATTERIA SOCIALE MANTOVA社

イタリアを代表するハードチーズのひとつ、グラナパダーノを生産するLATTERIA SOCIALE MANTOVA社(以下LSM社)を訪問しました。LSM社は1929年創立。イタリア北部エミリアロマーニャ州のマントヴァにあります。
写真中央の「427番」は生産者番号をあらわし、優れた生産者によって作られた商品であるという証となります。

この工場では、毎日約70万トンの牛乳から1000~1200ホールのグラナパダーノを製造しています。製造、熟成、カット、パック詰めまで全ての作業を行っています。ミルクの撹拌は始めに手作業で行うのがポイントです。

熟成庫は圧巻の迫力でした。ホールチーズの直径は35~45cm、高さは18~25
cm、重さは24~40kgに及びます。
今では機械で棚に並べていますが、昔は人の手で並べていたそうです。

工場見学終了後、LSM社で製造しているチーズや生ハム、スパークリングワインを頂きました。その場で食べたチーズは、日本で食べるものよりもミルクの風味が濃厚で、格別においしかったです。製造から熟成、パック詰めまでを一貫して行い、品質管理を徹底するLSM社だからこその、香り高い味わいであると感じました。本場ではグラナパダーノをお料理に使うのはもちろん、マーマレードジャムや蜂蜜と一緒に食べるそうです。

BELEEI社

次に、イタリア北部モデナ地方にあるBELLEI(ベレイ)社を訪問しました。こちらでは成城石井でも取り扱いのある『ベレイ アチェトバルサミコ3年熟成・5年熟成』を始めとし、多くのバルサミコ酢とその関連商品を製造しています。バルサミコ酢とは、イタリア北部モデナ地方特産の果実酢で、白ブドウを発酵させ、樽に入れて4~6年熟成させたものです。黒っぽい色をしており香りが良く、ブドウ由来の酸味と淡い甘みが特徴です。バルサミコ酢の味の決め手は、原材料となるブドウの種類、ブドウの品質、ブレンド比、木樽の種類です。ベレイ社では6種のブドウを契約農家から直接仕入れてブレンドし、オーク、クリ、チェリー3種類の木樽を用いて熟成させています。写真右手にある醸造庫に一歩入っただけで、芳醇なバルサミコ酢の香りに包まれたことがとても印象的でした。

こちらは醸造庫の中の様子です。1階と2階に分かれて大小多数の樽が並んでいます。バルサミコ酢の熟成過程では、 2週間に一度、バルサミコ酢の熟成具合をチェックし、水分が蒸発し分量が減るたびに、小さな樽へ移し替えるという作業を繰り返します。容量に合った木樽を使用することで、樽自体の風味がバルサミコ酢にうつり、芳醇な香りを生み出すのです。この作業を何年も続けることで完成される、12年熟成、25年熟成のバルサミコ酢が大変貴重な商品であることが分かりました。大量生産のため5万リットルも入る大きな木樽で熟成させるメーカーもあるなか、ベレイ社が手間を惜しまず、こだわりを徹底していることを実感しました。現地では25年熟成のバルサミコ酢を試食しましたが、その甘みと濃厚なコク、旨みは感動的なものでした。

また、ベレイ社自慢のバルサミコ酢をつかった料理の数々を試食しました。中でもメンバーから好評だったのがアイスクリームにバルサミコクリームをかけた一品です。バルサミコクリームは、バルサミコ酢と砂糖、コーンスターチを合わせて煮込んだソース。バニラの香りとバルサミコ酢の香りが合わさり、酸味と甘みのバランスが格別でした。日本ではまだまだ馴染みの薄いバルサミコ酢ですが、アイスやサラダ、お肉料理にひとたらしするだけで料理がひときわ美味しくなることを知りました。

FICO EATALY WORLD

研修3日目はボローニャにあるFICO EATALY WORLDを視察しました。FICIOとはFabbrica Italiana Contadinaの略で、「イタリア農業工場」の意味。アメリカやドイツ、日本などに展開するイタリアンフードのスーパーマーケットEATALY(イータリー)とco-op(コープ、生活協同組合)が共同で運営を行っている世界最大の“食と食品に特化したテーマパーク”です。「大地が作り出すもの」を、「育て」「形を変え」「料理する」術を知り、学ぶというコンセプトのもと、施設内で牛などの家畜を飼育し、野菜を育て、それらを加工し・製品化しており、来場者はその一連の流れを見ることができます。

館内ツアーでイタリアの食文化やFICOのコンセプトについて詳しいレクチャーを受けたり、パスタづくりのワークショップに参加し、見たこともない形のパスタを自分の手で作ったりという体験を通し、イタリア人の食へのこだわりを感じることが出来ました。

ZONIN社

4日目、イタリア国内でも最大規模のワイン出荷量を誇るZONIN(ゾーニン)社を訪問しました。自社輸入を手がける成城石井では、プロセッコ、アスティの2種類のスパークリングワインを独占輸入しており、成城石井にとって関係の深い企業です。そんなゾーニン社の中でも今回見学させていただいたのは、イタリア北東部のベネト州で作られる白のスパークリングワインである、「プロセッコ」を生産しているヴェネチアのワイナリーです。工場の雰囲気はまさにイタリアの町並みのようで、とても素敵な空間が広がっていました。

ゾーニン社では始めに、ワイナリーと併設された自社のワイン博物館を見学しました。重厚な雰囲気の中にはワインだけではなく、家族経営で培われた伝統と歴史に加えて、ゾーニン社を通して展開されるイタリアワインの歴史、貯蔵倉庫や樽、ワインのコルクに使われている原木など、イタリアワインへの好奇心が多岐に渡って刺激される展示がなされていました。

次に向かった製造工場の中には、写真のような巨大なタンクが複数並んでいました。その中は、摂氏0度前後で保存されているグレラ種のマスト(ブドウ果汁など)で満たされており、このタンクは新鮮さが命のプロセッコ作りにおいてとても重要です。ブドウ果汁を新鮮な状態で保存できるためフレッシュで良質なプロセッコを一年を通して製造することが出来ます。伝統的な製法と技術的なこだわりとが融和した製造現場でした。

見学が終わった後は、ゾーニン社自慢のワインとイタリア料理のマリアージュを体験しました。中でも5日前にボトリングされたプロセッコは、日本で飲むよりも僅かに炭酸が強く、レモンのような酸味やアカシアのような白い花の香りで、醍醐味であるフレッシュさを感じることが出来ました。美味しいプロセッコたるはどのようなものかを体感することが出来た訪問となりました。

イタリアで感じたこと

今回の研修では、「スローフード」と呼ばれる地元で取れた食材を使った料理を大切にする文化を体験することが出来ました。特に、パスタは地方の数だけ違いがあり、今まで出会ったことのないものが沢山ありました。

地元の食材を使って作られるグラナパダーノやバルサミコ酢は、熟成をさせることで商品の価値が上がります。つまり、時間が仕事をする。これは日本の味噌や醤油の考え方と一緒であると感じました。一方で、ゾーニン社は“できたて”の鮮度をお客様に届けるための最新の設備を持っていました。“おいしさ”を支える“時間”について、深く考えさせられた研修でした。

※写真は全て参加者の撮影によるものです。

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