学生の頃から成城石井にはよく買い物に来ていました。売場の品揃えが豊富で、眺めているだけでも楽しかったんです。私もさまざまな商品に詳しくなり、売場をつくってみたいという思いで説明会に参加しました。しかし話を聞いていくと、すごいのは単に品揃えだけではありませんでした。ストーリー性のある売場づくりや接客に、社員みんなで取り組んでいることを知り、とても魅力を感じたのです。
売場の変化が思った以上にスピーディでした。ここ北千住店は駅ナカ店ですが下町ということもあって、主婦の方が多くいらっしゃいます。午前中から夕方にかけては主婦向けに豆腐・練物・佃煮など和風の材料を、夕方から夜にかけては若いOL・会社員向けにチーズや生ハムなどの嗜好品、洋風の惣菜などを目立つところに配置します。そして季節の変わり目では1日に10アイテムくらい、一気に入れ替えていくこともあります。日々どころか、午前と午後で陳列を変えるなんて知っていましたか。私が客として買い物に来ていた時は、全く気づきませんでした。
はい、周りの方々の協力を得て、社内の接客コンテストである「ファイブスターコンテスト」で優勝しました。このコンテストには全社から200名近いスタッフがエントリーし、接客スキルを競います。優勝が決まった時は自分自身のうれしさよりも、接客ロールプレイングで指導いただいた店長や、仕事面でサポートいただいた同僚、アルバイト・パートの皆さんへの感謝の想いを強く感じました。
学生時代にデパ地下で洋菓子販売のアルバイトをやっていたので、正直「スーパーの接客なら」と軽い気持ちで考えていました(笑)。でも、成城石井の接客は想像以上にお客様との難しいやりとりが多く、最初は空回りすることばかり。全然「接客」の意味合いが違いました。
質問された時など、最初はとにかく喋りました。成城石井の商品の良さを知れば知るほど、ウンチクを説明したくなるんです。でも買っていただけない。何故だろうと店長の接客を見ていると、ほとんど喋らないんですね。逆にさりげなく質問して、お客様のご要望や一番知りたいポイントだけ端的に答え、自然な会話として成立しているんです。これこそお客様視点の接客だと気づき、それからは「話す」と「聴く」の割合を逆にしています。