SUPERMARKET 成城石井

RECRUIT ホンモノへの意志。

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プロジェクト「新規事業」【ル・バーラ・ヴァン52プロジェクト】成城石井初めての飲食業態は2号店出店へ。成功の裏にあった試行錯誤とは?

成城石井がワインバーを始めた理由。

かねてから、ワインや生ハム、チーズなど世界中から厳選した商品を直接お客様に提案できないかと考えていた成城石井は、2013年春、初となる飲食業態の開設を決定した。1Fにスーパーマーケット成城石井、2Fに飲食店を出すのに最適な不動産物件が、麻布十番(東京)に見つかったことも後押しとなった。店の名前は「ル・バーラ・ヴァン52」。おいしかった料理の食材やワインを、1Fのお店で買って帰ることができる仕組みだ。そのメニュー開発を担当したのが、精肉や惣菜売場出身の水野だ。ほかにも全社から、若手・中堅・ベテランが結集。会社としての飲食ビジネスの経験がない中で、皆が意見を出し合いながら着々と店を形にしていった。

ブロック状の生ハムを店内でスライスして提供。スライスしたばかりの生ハムは、柔らかさ、風味とも市販のものと全くの別物。

ついに迎えたオープン日。しかし現場は・・・

2013年12月17日(火)、ランチ営業をもって「ル・バーラ・ヴァン52」がついにオープンした。社長から何度もNGを出されて試作を繰り返し、やっとお墨付きをもらった渾身のメニューを味わっていただきたい。しかし、そんな水野の期待をよそに、現場は最初から混乱した。飲食の素人が想定したオペレーションが回らなかったのだ。ランチ営業後、すぐに店内で緊急ミーティングによる体制の立て直しを図りディナーに臨んだが、想定を超える来客数にやはり混乱は続いた。「印象深いのは、部門・役職関係なくいろんな方が応援に来てくれたこと。最初の金曜日、朝方まで執行役員などの幹部社員と一緒に生ハムやチーズ、料理、ワインを必死に提供し続けたことは、人生で一番の感動体験でした(水野)」。

オープン当初のキッチンは戦場のようだった。写真は1号店キッチンでメニュー開発に取り組む水野。

新店立ち上げ請負人、四方が店長に就任。

黒毛和牛のグリルや生ハムなど、料理とワインは高い評価を受けていたが、多くの社員の応援で何とか回っていた「ル・バーラ・ヴァン52」。運営については根本から立て直す必要があった。そこに異動してきたのが、成城石井初の高速道路サービスエリア内の店舗を、店長として軌道に載せた経験を持つ四方だった。「まず変えたのは、スタッフ会議の定例化と情報共有のルール化です。忙しいあまり会議をしたりしなかったり。これでは問題が整理されません(四方)」。結果はすぐにあらわれた。誰かが見つけた課題はすぐに議題となった。飲食店での経験豊富なアルバイトスタッフから学ぶ機会も増えた。四方は言う。「確かに業態は違いますが、私がやったのは成城石井の店でやってきたことと一緒。マネジメントの基本は同じなんです」。

店長の四方が最も重視したのが、基本を徹底すること。それはスーパーでも飲食店でも変わらない。

売上は予想の倍以上に。そして2号店出店へ。

全員が正しい方法で知恵を出し合うことで、「ル・バーラ・ヴァン52」のオペレーションは大きく改善された。売上は当初見通しの2倍以上に達しており、また1F店舗との相乗効果も目に見えて上がっていた。「最近では郊外のお店からも、ル・バーラ・ヴァン52で食べた食材が欲しいというお客様のお話が報告されています。ご自宅の最寄り店にも、相乗効果が出始めているんですね(水野)」。そんな時に、関内(横浜)で2号店の話が持ち上がる。今度は成城石井の店舗と併設ではない、単独での出店だ。四方が1号店、2号店の統括マネージャーとしてオープニング準備に携わることになった。水野も引き続き、メニューまわりの責任者として開発を担当する。

ワインや食材など、ル・バーラ・ヴァン52で体験して気に入ったものは、成城石井の店舗で購入できる。

次は、ビジネス街の男性がメインターゲット。

「1号店の反省を活かすために、店内レイアウトや動線設計の段階からタッチしています。今度目指すのはキッチン主導のお店。キッチンとホールの情報が遮断されないよう、オープンキッチンにしました(四方)」。オープンキッチンは、調理スタッフからお客様の様子がわかるだけでなく、お客様側には活気や音、ライブ感を演出できるという利点がある。また、女性のお客様が多い麻布十番と違い、関内ではビジネスマンがターゲットとなるのもプランニング上のポイントだ。水野は1号店では出さなかったご飯もののランチを用意するなど、ボリューム感を意識したメニュー設計を行っている。全体を見渡す四方、水野の他に、1号店、2号店それぞれにキッチン/ホールの責任者を置くことで、徐々に下のメンバーも育ってきている。

マネジメントはタイムリーに情報を共有し、意見を引き出すことが重要。次第にメンバーも育ってきた。

視野にあるのは、新しいビジネスモデルの確立。

まだ2店舗ではあるが、成城石井の中で「ル・バーラ・ヴァン52」は徐々に大きな存在になりつつある。「現在はまだまだ不安定。しかし近い将来、商品や立地、オペレーション、利益を含めて成城石井独自の新たなビジネスフォーマットとして確立したい」と語る四方。四方にとって、これはもはや新店の立ち上げではなく、ビジネスモデルの創造プロセスなのだ。この想いは水野も変わらない。「成城石井の店舗でホンモノの食材を扱ってきた私たちだからこそ、可能な飲食ビジネスがあるはず。お客様、働く人、会社のすべてが幸せになれる確実なものを生み出したい(水野)」。成城石井と言えばル・バーラ・ヴァン52、と言われる日が来るのも、そう遠い未来ではないかもしれない。

成城石井の真ん中にあるのは「本当においしいものを提供したい」という、シンプルな想い。

スタイルこそ違うが、2人の動きは成城石井の理念「食にこだわり、豊かな未来を創造する」ための動きに他ならない。そして、若手に重要な仕事を任せていくのは、「次の成城石井を築くのは君たちなのだ」という経営サイドからのメッセージなのである。

  • 野澤 拓人

    水野 翔太
    商品本部 商品部 惣菜課SV
    調理師からの中途入社。店舗での精肉担当、惣菜担当を経て商品部に異動。店舗用惣菜やル・バーラ・ヴァン52のメニュー開発を担当している。
  • 四方 雄一郎
    ル・バーラ・ヴァン52 AZABU TOKYO 成城石井 店長
    顧客満足度(CS)モニターNo.1の店づくりに定評。海老名SA上り店の立ち上げ、商品部勤務などを経て、ル・バーラ・ヴァン52のマネジメントを担当。