物流戦略部の仕事は大きく2つに分けられます。1つは、日々の運搬物量に合わせた配送スケジュールの構築です。毎日、自社便100台・業者便70台前後が走っていますが、「スケジュールを1度構築すれば終わり」というわけではありません。季節、イベント、新店舗のオープンや改装オープンなどに合わせて、スケジュールを随時調整していく必要があります。
日立物流さんに運営を委託している、物流センターの管理です。どうすれば効率的で、会社の強みになるような倉庫運営ができるか。今回大きく見直した「新物流センター構築プロジェクト」も、その延長にあるものといえます。(プロジェクトストーリー参照) 配送スケジュール構築、物流センター管理、どちらの業務も商品・サービスのクオリティーや会社のコスト構造に大きく影響を与える重要な仕事。それを担っている重要な部門なのです。
第一に、店舗の実際や業務フローを細かく理解しておく必要があります。例えば、A店の搬入口がどうなっているか、B店はストックをどこにどのくらいの量を置き、いつ店頭に陳列するか。全店のこういった情報を把握しておかないと、配送スケジュールを組み替えた途端、B店のストックがパンクすることになります。
バイヤー部門とは入荷日や賞味期限、保存温度、形状など条件の異なる2万ものアイテムを、どう運び、どう管理するか確認しなければなりません。店舗開発部門とは新店舗における荷受けの動線を打ち合わせたり、店長とは商品構成を共有したり。とにかく関係しない部署がないほど、様々な部署と密接に関わっていますね。「物流」というとルーティン的なイメージをお持ちかもしれませんが、実際は全然違う。オールマイティな業務知識をベースに、「戦略」といえる物流システムを構築するやりがいのある仕事なのです。
難しいことばかり言いましたが、物流戦略の目的は、つまるところ成城石井の自慢の商品をお客様に届け、満足いただくこと。そういう意味で、店舗と私たちが見ているものは同じです。例えば、配送ルートを少し組み変えるだけで、新鮮な商品を発注当日に届けることができたとします。多くのお客さまに喜ばれ、売上も向上。それを100店舗以上で毎日積み重ねていけば、1年間で数千万円、数億円の利益を生み出せることになります。会社全体を見渡し、インパクトを生み出せる物流戦略という仕事。新物流センターも立ち上がり、ますます面白くなってきました。