成城石井は、ここ数年、年間10店舗前後のペースで出店しています。その出店戦略にあわせて適切な物件を探し、契約、内装の設計・施工管理から開店までの流れをつくるのが店舗開発の仕事です。まず、不動産業者から寄せられてくる物件情報を収集・分析し、そこに店舗を出して成功するかを検討します。周辺環境や集客を予測してビジネスとして可能性があれば契約。しかし寄せられた情報が1000件あったとしても、「これは」と思う物件は1件あるかどうかに過ぎません。
そうです。まあ、見た瞬間ダメとわかる物件情報も大量に送られてくるんですけどね(笑)。その中で数少ない魅力的な物件となると、他社も狙いをつけているのでコンペ(競合)になります。そんな中で迅速にアプローチできるか、どう勝率を上げていくかがこの仕事の最初のポイントになります。新しく巨大オフィスビルやショッピングセンターができるときには、何と数年前からディベロッパーにアプローチするんですよ。
一般のスーパーにはない品揃えに加え、路面店、駅ナカ、オフィスビルなど、様々なタイプの店舗で成功しているのが、オーナー様・ディベロッパーのご担当者様に安心感を訴求する重要なポイントになっています。また、私自身に店長経験もあるので、具体的な経験を交えてリアリティのある店舗運営の話をし、ご納得いただくことも多いです。
どうしたらお客様に支持される店になるか、ということです。店舗開発は立地を確保してハコをつくるまでが仕事ですが、オープンしても収益を上げられなければ意味がない。だから開店前、私にできることは何でもしたいと考えています。例えば、テナントビル内で店の位置が目立ちにくい場所になってしまったら、テナント側に「表の看板を大きくしてほしい」と交渉します。運営リスクを軽減できるよう、賃料も交渉します。幸い当社は撤退店舗がほとんどありませんが、ビジネスの視点を忘れてはならないのです。
初めて手掛けた大船ルミネウイング店がオープンした時は、本当にドキドキしました。オープン前夜などお客様が足を運んでくれなかったらと思うと眠れなくなりました。でも初日の売上は予想を上回るもので大成功。今でもオープン初日はドキドキしますが、そうした経験を積み重ねることで自信にもつながっていると思います。それと、20社のコンペで勝ち取った浜田山店(路面店)も思い出深いですね。成城石井の考え方や取り組む姿勢をオーナー様に理解してもらうおうと、力を注いできた結果。素直にうれしかったですね。